先日、久しぶりに実家の母に会いに行きました。
高齢の母の様子を見るために、最近はできるだけ週に一度は訪問するようにしています。
目的は、体調のチェックと、認知症の進行具合を確認することです。
母の抱える日常の不満
今回の訪問では、母からいくつかの不満を聞きました。
特に話題に上ったのは、兄のこと、デイサービスの内容、老人会での人間関係など。
高齢になってくると、人付き合いの中でのストレスが積み重なっていくようです。
たとえば、デイサービスで提供される食事については「味が薄くて物足りない」とのこと。
「ありがとう」と言いながら食べてはいるものの、その後に味を足して食べ直しているそうです。
「スタッフに直接伝えたら?」と勧めても、「自分からは言えない」と話します。
高齢者特有の遠慮や、気持ちの伝え方の難しさを改めて感じました。
携帯電話をめぐるトラブル
母との間で、これまでに何度も繰り返してきたトラブルがあります。
それが「携帯電話の契約」です。
数年前、「携帯電話が欲しい」と言い出した母のために、私は仕事を休んで契約に同行しました。
契約は一苦労でしたが、なんとか手続きを終えました。
ところが、数日後から「使い方が分からない」と頻繁に電話がかかってくるように。
休みの日に訪問して一から説明し、ようやく使えるようになったかと思えば、またすぐに「使えない」と電話が繰り返されました。
最終的には「私はそんなもの頼んでいない、あんたが勝手に契約した」と言われ、解約することに。
正直、とても辛く、悲しい気持ちになりました。
再び繰り返される「携帯電話が欲しい」の声
それから数年後、また母から「携帯電話が欲しい」と言われました。
理由は「友達がみんな持っていて、自分だけ持っていないのはおかしいと言われた」とのこと。
前回の出来事を説明し、今度は「自分で使い方を学びに行く」という約束を取り付けてから再契約に向かいました。
丸一日がかりで手続きを済ませ、家に帰ってからも基本的な使い方を教え、さらに「携帯電話教室」の予約もしておきました。
それなのに・・・
数日後、携帯電話会社から「お母さまが契約を解除しに来られました」との連絡がありました。
驚いて母に確認すると、「あなたが持てって言うから契約しただけで、私はいらない」と。
その瞬間、私の中で何かが切れてしまいました。
限界を感じ、「そう、分かった」とだけ伝え、電話を切りました。
携帯電話会社には正式に解約の手続きをお願いしました。
親を思う気持ちと、介護ストレスの狭間で
その後も、母は何度か「携帯電話が欲しい」と言ってきましたが、もう取り合うつもりはありません。
会えば話を聞き、必要なサポートはしています。
でも、携帯の話だけは、もう無理なのです。
「高齢の親に携帯電話は本当に必要なのか?」と改めて考えさせられました。
母はほとんど自宅で過ごしており、緊急連絡も家の固定電話で事足ります。
本人が強く望んでいるとはいえ、使いこなせず、混乱とトラブルばかりが生まれる状況では、意味がありません。
もちろん「可哀想かな」と思う気持ちがないわけではありません。
でも、私自身の心が限界を超えてしまっては、日々のサポートも続けられなくなってしまいます。
最後に、高齢の親との接し方を見直す
親の老いに向き合うというのは、思った以上に感情が揺さぶられるものです。
思いやりと現実のギャップの中で、時には「できること」と「できないこと」の線引きをする勇気も必要です。
もし、同じように高齢の親との関係で悩んでいる方がいたら、どうか「自分の気持ち」も大切にしてください。
介護や親のサポートには正解がありません。
でも、無理を続けて共倒れになることだけは、避けていきたいものです。
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