今日も一日が始まりました。
最近は、日々の小さな出来事の中にも、何かしらの発見があるような気がしています。
先日、その中でも特に印象深いできごとがありました。
それは「電車の乗り過ごし」。
なんでもないように思えるかもしれませんが、私にとっては本当に久しぶりの体験でした。
先日、電車での移動中に本を読んでいたところ、気がつけば降りるべき駅を通り過ぎてしまっていました。
本に夢中になりすぎてしまったのです。
思わず「しまった」と笑ってしまったものの、心の中では何とも言えない嬉しさがこみ上げていました。
電車を乗り過ごすなんて、最後にやったのはいつだっただろう。
たぶん、20代の終わり頃。
それからは仕事に追われ、いつも何かを気にかけながら過ごしてきました。
通勤中も、読書はしていたもののどこか心ここにあらずでした。
頭の片隅には常に「次の会議の準備」「トラブルの対応」「納期に間に合うか」といった仕事のことがありました。
心から本に没頭するなんてことは、いつの間にかできなくなっていたのです。
そんな私が、本の世界に引き込まれ、駅を乗り過ごすほどに集中できた。
それは、会社を離れて新しい生活を始めたからこそ得られた時間。
そして心のゆとりがもたらした変化でした。
振り返ってみると、会社勤めの30年間はずっと何かを解決し続ける日々でした。
とくに後半は、あれこれ考えることが多く、気が抜けない状態が続いていたと思います。
今思えば大したことではなかったかもしれない。
今から見れば「そんなに悩まなくてもよかった」と思えることも、当時の私にはとても重大でした。
そんな張りつめた日々の中で、心の余裕が少しずつ削られていたのかもしれません。
だからこそ、「乗り過ごす」という何気ない出来事が私にとっては小さな革命のようにも感じられたのです。
本が運んでくれた「物語の中の世界」。
読んでいた本は、最近よく読んでいる佐藤大輔さんの作品でした。
登場人物の心の機微や物語の展開に引き込まれ、気がつけば自分もその世界の中にいるような気持ちになっていました。
ブログでも読書感想としてご紹介している作者ですが、今回の一冊も心を大きく揺さぶられるものでした。
その世界に入り込めるだけの心の余裕が今、私の中にあること。
それが本当に嬉しかったのです。
思えば、会社を辞めてからまだ日が浅いのに、こうして少しずつ変化が起きています。
この「乗り過ごし」は、ただのうっかりではなく心が解き放たれたサインだったのかもしれません。
これからも、そんな小さな変化を見逃さずに大切にしていきたいと思います。
そして、こうした日々の中で感じたことをまたここで綴っていけたら嬉しいです。
今日も、読んでくださってありがとうございました。
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