母を施設に訪問して

母 エッセイ

先日、母を老人ホームへ訪問してきました。

母が施設に入居してから、もう5年以上が経ちます。

もともと母は一人暮らしをしていましたが、5年前、突然大腿骨を骨折し入院することになりました。
手術は無事に成功したものの、入院生活の影響で認知症が一気に進行。

当初は退院後にまた一人暮らしに戻る予定でしたが、現実はそう甘くありませんでした。

食事や排泄といった基本的なことも自分でできなくなり、退院後の一人暮らしは難しいと判断しました。

私たちも仕事を抱えており、家も遠かったため、同居という選択肢も現実的ではありませんでした。

そんな中、病院からは「治療は終わったので早く退院をするように」と毎日のように催促が来ました。

焦る気持ちを抱えながら、私たちは急いで老人ホーム探しを始めました。

何もわからない状態の中、ネット検索で「老人ホーム比較サイト」の存在を知り、さっそく活用することに。

希望する地域や予算、施設の規模などを入力すると、いくつかの施設を紹介してもらえ、見学の手配までサポートしてもらえる仕組みでした。

実際に3つの施設を見学してみると、パンフレットや写真だけではわからない「空気感」の違いがはっきりと見えてきました。

  • 警備会社が運営しているホームは、時間管理がとても厳格で、まるで学生寮のような印象。
  • 住宅系の会社が運営するホームは、建物も内装も豪華でしたが、入居者とスタッフの間に壁のような距離感を感じました。
  • 一方、人材系の会社が運営しているホームは、建物こそ新しくはないものの、とてもアットホームな温かさがありました。

最終的に、私たちはこのアットホームな施設を選びました。

母も大きな抵抗を見せることなく入居してくれましたが、最初の頃は「家に帰りたい」と話すこともあったようです。
それでも、職員の皆さんが親身に接してくださったおかげで、徐々に落ち着きを取り戻していきました。

あれから5年。
母は大きな病気をすることもなく、穏やかな日々を送っています。

今回、久しぶりに会った母は、以前よりも表情がやわらかくなっていて、私もほっとしました。
とはいえ、徐々に私の顔の記憶も薄れてきているようで、顔を合わせてもすぐには誰だかわからないこともあります。

母の体調は日によって違い、元気な日は昔話をしたり、体がつらい日はベッドに横になったまま静かに過ごしたり。

それでも、こうして母に会いに行き、穏やかな時間を共有できることが何よりの喜びです。

施設に預けることへの葛藤は今もゼロになったわけではありません。

でも、今の母の様子を見ていると、あのとき私たちが選んだ道は、きっと間違っていなかったのだと、心から思います。

ブログを読んで頂きありがとうございます。

またお会いしましょう。

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短髪くまさん

生年月日:1968年生まれ
年齢:57歳(2025年現在)
出身:東京都多摩地区
血液型:A型
家族構成:妻と二人暮らし
経歴
理工系の大学を卒業後、自動車設備メーカーに就職。
途中、和菓子職人への憧れから修業を経験。
その後、人材ビジネス業界で25年間勤務し、15年間は役員として活動。
仕事をしながらMBAの科目をすべて履修し、現在はフリーランスとして活動中。これまでの経験を活かしながら、新しい挑戦を続けています。

私について
食べること・お酒が大好き! 特に日本酒・ワイン・ビールを楽しんでいます。
特にワインが大好きです。
過去30年間、自宅でほぼ毎晩ワインを飲んできました。その結果、開けたワインコルクは5,000本以上に達するかもしれません。もしかすると、ワインソムリエよりも多くのコルクを開けているかもしれません。しかし、ソムリエのように詳しいワイン評論はできず、「味が好きかどうか」「食事に合うかどうか」でシンプルにワインを選んでいます。

猫好き どんな猫も愛おしくてたまりません。
好奇心旺盛 迷ったら、まずはやってみるのがモットーです。
これからも、新しい挑戦や日々の発見をこのブログで発信していきます。どうぞよろしくお願いします!
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