甘口化する日本酒

エッセイ

味と香りの進化の理由とは?

最近、朝日新聞で「甘口化する日本酒 味や香りの秘密は」という記事を目にしました。

日本酒好きとしては、見逃せない話題です。
この記事では、近年の日本酒に起こっている「甘口化」の背景とその理由について、非常に興味深い内容が紹介されていました。

日本酒の基本:糖化と発酵の絶妙なバランス

まず、日本酒の製造過程について簡単に触れておきましょう。
日本酒は、米に含まれるデンプンを「こうじ菌」によって糖に分解し、それを酵母によってアルコール発酵させるという二段階のプロセスで作られます。

この「糖化」と「発酵」が、同じタンクの中で同時に進行するという点が、日本酒造りの最大の特徴でもあり、職人の技が問われる繊細な作業なのです。

これまで日本酒は、「淡麗辛口」や「濃醇辛口」といった、キレのある辛口系が人気を集めてきました。辛口好きの方にとっては、スッキリとした後味や食中酒としての相性の良さが魅力だったことでしょう。

甘口日本酒が人気上昇中、その背景とは?

ところが最近、じわじわと「甘口系」の日本酒が増えているのをご存じでしょうか?
実際に市場でも、やわらかな口当たりやフルーティな香りを楽しめる銘柄が注目を集めています。

その理由の一つが、「発酵の途中であえて止める」という新しい製法の普及です。

本来、酵母は糖をアルコールに変えていくのですが、発酵が進みすぎると、酵母自身が生成したアルコールによってダメージを受け、風味が損なわれてしまうことがわかってきました。

そのため、発酵を途中で止めて糖分をあえて残すことで、酵母のダメージを防ぎつつ、味のバランスを整えるという製法が取り入れられるようになっています。この残された糖分こそが、甘口化の大きな要因になっているのです。

フルーティな香りと甘さの秘密は「酵母」

さらに興味深いのが、「香りをつくる酵母」の進化です。
現在、果実のようなフルーティな香りを生み出す酵母が多く使われています。たとえばリンゴやバナナのような香りを感じさせる酵母などがその代表です。

ただし、こうした香り酵母には、独特の苦味を生み出してしまうものもあります。そのため、苦味をマイルドにするために糖分(グルコース)を多めに残すことがあり、これもまた甘口傾向を後押ししているというわけです。

甘口日本酒の魅力・・私自身の体験から

ここで少し、私自身の日本酒との出会いについてお話させてください。

実は、若いころの私は日本酒があまり得意ではありませんでした。昔ながらの辛口の酒は、どこか薬のように感じてしまい、「お酒」として楽しむにはハードルが高かったのです。

そんな中、あるとき飲んだのが、フルーティでほんのり甘みのある日本酒でした。

香りは華やかで、口に含むとやわらかく広がる旨み。

まるで白ワインのような感覚に、衝撃を受けたのを今でも覚えています。

それがきっかけで、少しずつ日本酒の世界に足を踏み入れ、今ではすっかり「日本酒ファン」になりました。

特に最近は、女性や初心者にも飲みやすい、甘口・低アルコールの日本酒が増えていて、シーンに合わせて選べる楽しさも広がっています。

日本酒の未来・・・伝統と革新のあいだで

甘口化といっても、すべてが「甘ったるい」わけではありません。
今の日本酒は、甘みと酸味、香りと旨味のバランスを見事に調整しており、料理との相性も抜群。チーズや洋食とのペアリングを楽しめるものまで登場しています。

日本酒の世界は、今まさに「伝統」と「革新」の融合によって新たな時代を迎えているといえるでしょう。

私自身は、この甘口化の流れを大歓迎しています。これからも、さまざまな味わいの日本酒を楽しみながら、その進化を見守っていきたいと思います。

まとめ

  • 日本酒は「糖化」と「発酵」が同時に進む独自の製法。
  • 甘口化の理由は、発酵の途中停止や香り酵母の使用。
  • 苦味を抑えるために糖分を多めに残す手法が増えている。
  • フルーティな香りと甘さで初心者にも飲みやすい。
  • 日本酒の世界は今、新しい広がりを見せている。

あなたも、ぜひお気に入りの一本を探してみてくださいね。

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短髪くまさん

生年月日:1968年生まれ
年齢:57歳(2025年現在)
出身:東京都多摩地区
血液型:A型
家族構成:妻と二人暮らし
経歴
理工系の大学を卒業後、自動車設備メーカーに就職。
途中、和菓子職人への憧れから修業を経験。
その後、人材ビジネス業界で25年間勤務し、15年間は役員として活動。
仕事をしながらMBAの科目をすべて履修し、現在はフリーランスとして活動中。これまでの経験を活かしながら、新しい挑戦を続けています。

私について
食べること・お酒が大好き! 特に日本酒・ワイン・ビールを楽しんでいます。
特にワインが大好きです。
過去30年間、自宅でほぼ毎晩ワインを飲んできました。その結果、開けたワインコルクは5,000本以上に達するかもしれません。もしかすると、ワインソムリエよりも多くのコルクを開けているかもしれません。しかし、ソムリエのように詳しいワイン評論はできず、「味が好きかどうか」「食事に合うかどうか」でシンプルにワインを選んでいます。

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好奇心旺盛 迷ったら、まずはやってみるのがモットーです。
これからも、新しい挑戦や日々の発見をこのブログで発信していきます。どうぞよろしくお願いします!
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