ロシア文学がぐっと身近に――奈倉有里さん著『ロシア文学の教室』

読書感想文

若い頃にロシア文学を読んでいた私が、久しぶりにその世界に戻りたくなって手に取ったのが、奈倉有里さんの著書『ロシア文学の教室』です。

この本は、ある大学で行われるロシア文学の講義を舞台に、学生たちが文学作品の中に”入り込む”という、ユニークで魅力的な構成になっています。読み物としても、ロシア文学の入門書としても楽しめる一冊です。

本の内容と特徴

講義は全12回。毎回1つの作品を取り上げながら、学生たちは文字どおりその物語の中に入り込み、登場人物として体験していきます。単に読んで学ぶのではなく、「感じて、行動して、理解する」スタイルがこの本の最大の特徴です。

取り上げられる作品はこちら:

  1. ゴーゴリ『ネフスキイ大通り』
  2. プーシキン『盗賊の兄弟』+抒情詩
  3. ドストエフスキー『白夜』
  4. ゲルツェン『向こう岸から』
  5. レールモントフ『悪魔』
  6. ゴンチャロフ『オブローモフ』
  7. ツルゲーネフ『父と子』
  8. ネクラーソフ『ロシヤは誰に住みよいか』
  9. チェーホフの初期短篇集
  10. ゴーリキー『どん底』
  11. ガルシン「アッタレーア・プリンケプス」
  12. トルストイ『復活』

学生たちは作品世界に没入し、登場人物の感情や背景を”自分のこと”として体験することで、文学を深く理解していきます。読者もまた、彼らと一緒にその旅をたどるような気持ちになれるのです。

読んで感じたこと

難解だと思っていたロシア文学も、この本では物語形式で紹介されているため、自然と入り込むことができました。
文学作品だけでなく、戦争や社会、愛といった現代にも通じるテーマが語られており、学生たちの感情の揺れや成長にも引き込まれます。

まとめ:ロシア文学が初めての方にもおすすめ

ロシア文学はとっつきにくいと感じている方にこそ、ぜひ読んでいただきたい一冊です。
講義形式で物語が進んでいくので堅苦しさはなく、まるで読者自身も教室に参加しているような感覚に。

この本をきっかけに、もう一度ロシア文学を読み直してみたくなりました。
興味のある方はぜひ手に取ってみてください。

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短髪くまさん

生年月日:1968年生まれ
年齢:57歳(2025年現在)
出身:東京都多摩地区
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家族構成:妻と二人暮らし
経歴
理工系の大学を卒業後、自動車設備メーカーに就職。
途中、和菓子職人への憧れから修業を経験。
その後、人材ビジネス業界で25年間勤務し、15年間は役員として活動。
仕事をしながらMBAの科目をすべて履修し、現在はフリーランスとして活動中。これまでの経験を活かしながら、新しい挑戦を続けています。

私について
食べること・お酒が大好き! 特に日本酒・ワイン・ビールを楽しんでいます。
特にワインが大好きです。
過去30年間、自宅でほぼ毎晩ワインを飲んできました。その結果、開けたワインコルクは5,000本以上に達するかもしれません。もしかすると、ワインソムリエよりも多くのコルクを開けているかもしれません。しかし、ソムリエのように詳しいワイン評論はできず、「味が好きかどうか」「食事に合うかどうか」でシンプルにワインを選んでいます。

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これからも、新しい挑戦や日々の発見をこのブログで発信していきます。どうぞよろしくお願いします!
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