
書籍情報
タイトル: ほんとうの定年後「小さな仕事」が日本社会を救う
著者: 坂本貴志
あらすじ
『ほんとうの定年後』は、定年後の生き方や働き方について深く考えさせられる一冊です。従来の「定年=引退」という固定観念を覆し、定年後も無理のない範囲で働くことの重要性を説いています。
本書は、
- 第一部: 定年後の実態をデータと15のケースで解説
- 第二部: 実際に定年後に働く7名のケースを紹介
- 第三部: 定年後の働き方のポイントを提案
という3部構成になっており、実例とデータを通じて、定年後の生き方の新たな視点を提供しています。
印象に残った点
「50代で就労感は一変する」
本書の中でも特に印象に残ったのが、「事実13の50代で就労感は一変する」という内容でした。定年後は、仕事に向かう体力や気力が緩やかに低下し、それに応じて仕事の負荷も下がる傾向があります。その結果、多くの人が「小さな仕事」に前向きな意義を見出すようになると述べられています。
また、仕事に関する価値観は以下の6つに分類されており、年齢とともにその価値観が変化することで、小さな仕事の意義が高まると考えられます。
- 他者への貢献
- 生活との調和
- 仕事からの体験
- 能力の発揮
- 体を動かすこと
- 高い収入や栄誉
「小さな仕事」がもたらす豊かさ
本書では、定年後の仕事は多くが生活に密着した「小さな仕事」であると述べられています。小さな仕事を続けることで、老後の豊かな生活を実現し、社会への貢献を無理なく両立できるとされています。
定年後に幸せに働き続けるための「仕事の要件」として、以下の3つが挙げられています。
- 健康的な生活リズムに資する仕事
- 無理のない仕事
- 利害関係のない人たちと緩やかにつながる仕事
実際に、定年後も働く人の6割が仕事に満足しているというデータが紹介されており、仕事を続けることの意義が強調されています。

まとめ
もし、現役時代にこの本を読んでいたならば、データや結論に大いに賛同していたでしょう。しかし、現在フリーランスとして働く立場で読むと、頭では理解できても完全に安心感を得ることはできませんでした。
年金受給の開始を後ろ倒しにすることや退職金の使い方など、実際にその立場になった際の不安は拭いきれないものがあります。数字では理解できても、完全には納得できない—だからこそ、多くの人が死ぬまでお金を貯め続けてしまうのかもしれないと感じました。
本書を通じて、定年後の人生において「何もしないこと」よりも、「小さな仕事」を続けることの重要性を再認識しました。
- 定年後の人生を充実させるために何が必要か?
- シニア世代が社会とつながりを持ち続けるための方法とは?
- 老後の働き方を考える上で参考になる実例とは?
こうした疑問を持つ方にとって、本書は非常に示唆に富んだ一冊です。
定年後の人生設計に悩んでいる人や、これからのキャリアを考えている人にとって、大いに参考になるとおもいます。
ブログを読んで頂きありがとうござました。
またお会いしましょう。
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