50代に突入すると、「若い頃と同じように体が動かない」「筋肉がつきにくくなった」と感じることが増えてきます。中高年にとって、健康的な体づくりを継続するにはどうすればいいのでしょうか?
今回ご紹介するのは、フィンク・ジュリウス著『50歳からの科学的筋肉トレーニング』です。
本書では、年齢とともに変化するホルモンバランスや代謝機能に着目し、科学的に根拠のある筋トレ方法を提案しています。
テストステロンの減少と中高年の筋肉づくり
本書のキーポイントは、「テストステロンの減少を前提とした筋トレ」です。
テストステロンは筋肉の増加や脂肪の燃焼、やる気の維持にも深く関わる男性ホルモン。
ところが40代を過ぎると、自然とその分泌が減少していきます。
これが、中高年が筋トレをしても若い頃のように結果が出にくい原因のひとつです。
筋力の低下や体脂肪の増加は、「根性や努力不足」ではなく、ホルモンの変化という科学的背景があるのだと気づかされました。
中高年におすすめの筋トレ法:「中強度×短休憩×高ボリューム」
では、どんなトレーニングがテストステロンを刺激し、筋肉を効率的に育てられるのでしょうか?
本書が推奨するのは、以下のような筋トレ方法です:
・中程度のウエイトを使用
・セット間の休憩は短く
・総負荷量(ボリューム)を多くする
この方法により、血流が筋肉に集中し、乳酸などの代謝物が蓄積され、筋肥大のスイッチが入りやすくなるのだそうです。
この理論は、私が現在取り組んでいる加圧トレーニングにも通じるものでした。
科学的に裏付けがあると知り、改めて自分のトレーニングに自信を持てるようになりました。
食事の重要性:たんぱく質の摂り方と食事間隔
筋トレと並んで重要なのが「食事のタイミングと内容」です。
本書では、
・2〜3時間ごとに小分けして食べる
・たんぱく質は一度に大量摂取しても無駄になるという食事法を提案しています。
体が吸収できるたんぱく質の量には限界があり、過剰に摂取したたんぱく質は脂肪として蓄積されるとのこと。
ただし、著者は「プロテインパウダーは非推奨」とも述べています。
理由は、代謝効率が悪く、化学物質が含まれる製品が多いため。
個人的にはここが少し気になるポイントでした。
忙しい日はプロテインシェイクが手軽な栄養源になるため、私は使い続けたい派です。
製品の選び方や品質に気をつければ、プロテインも十分に活用できると考えています。
アルコールとの付き合い方:完全断酒は必要?
もう一つ、衝撃的だったのは「アルコールNG」という内容。
著者によると、アルコールはエストロゲン(女性ホルモン)を増加させ、脂肪の蓄積を助長するとのこと。
これが筋トレやダイエットにはマイナスに働くと指摘されています。
しかし、中高年にとってお酒は人生の楽しみでもあります。
私もワインや日本酒が好きで、食事とのペアリングも大切な時間です。
科学的なデータは理解しつつも、「完全に断つ」のではなく、量と頻度をコントロールすることで折り合いをつけていきたいと感じました。
睡眠もトレーニングの一部
意外だったのが、「睡眠不足の日は筋トレを休め」というアドバイスです。
寝不足はホルモンバランスを乱し、代謝機能も低下させるため、筋トレの効果が出にくくなるそうです。中高年にとっては、「休息こそ最強のトレーニング」といっても過言ではないかもしれません。
しっかりと休むことで、体はより良い状態でトレーニングに取り組めるようになると再確認しました。
まとめ:50代からの筋トレは「科学」で差がつく
『50歳からの化学的筋肉トレーニング』を読み終えて感じたのは、「中高年の筋トレは、科学的アプローチでこそ成果が出る」ということです。
・ テストステロンを意識したトレーニング
・ 栄養バランスと食事のタイミング
・ 睡眠を含めたリカバリーの重要性
これらを意識すれば、中高年でも筋肉はつくし、健康的な体づくりは十分に可能です。
プロテインやお酒については、ライフスタイルに合った方法で上手に付き合いながら、自分にとって最適な筋トレライフを継続していこうと思います。
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