遠方からの対応と介護の難しさ
昨夜、母から一本の電話がかかってきました。
内容は「寝室のクーラーが動かなくなった」「電源が切れない」「コンセントが抜けない」というもの。
急な相談に驚きつつも、落ち着いて詳しい状況を聞こうとしましたが、母の説明は断片的で要領を得ません。
話を整理していくと、どうやら「クーラーのランプが消えない」ことが問題のようでした。冷房が効かないわけではないのか、それとも効いていないのか。
聞いてもはっきりしません。
暑い夜にクーラーが使えないのは危険です。私は「涼しい部屋で寝てください」と伝え、週末に訪問して確認することを約束しました。
これ以上は電話では解決できないと判断し、その日は電話を切りました。
クーラーは本当に壊れたのか?
突然クーラーが故障する可能性もゼロではありませんが、長年使ってきた経験からすると、いきなり完全に使えなくなるケースは少ないと感じます。
今回のように「ランプが消えない」という場合、以下のような原因が考えられます。
リモコン操作の誤り(送信できていない、モード切替ミスなど)
タイマーや除湿モードのランプ点灯を故障と勘違い
リモコンの電池切れや接触不良
室外機や配線の一時的な不具合
ただ、母の説明だけではどれも確定できません。現場を見なければ判断は難しいのが現実です。
デイサービスの力を借りる
幸い、この日はデイサービスの職員さんが訪問予定。事情を説明し、クーラーの状況を確認してもらうことにしました。
介護の現場では、家族だけでは手が回らないことも多く、こうした外部の目や手は本当に助かります。
特に機械トラブルのような場合、高齢者が自分で状況を正確に伝えるのは難しく、第三者のサポートは欠かせません。
以前のデイサービスとの関係
思い返すと、以前はデイサービスの回数を増やして母をサポートしてもらおうとしました。しかし、そのときは母とスタッフとの相性が合わず、利用を終了した経緯があります。
介護では「サービスの質」だけでなく「人と人との相性」も重要です。
一度相性が合わないと感じてしまうと、再利用は難しくなります。
今回は新しい事業所なので、その点は少し安心しています。
高齢の親との距離感と限界
今回の出来事で、改めて「遠方からの介護」の難しさを痛感しました。
電話越しでは状況がつかめず、現場確認まで数日待たざるを得ない。
急なトラブルでも、すぐに駆けつけられない距離感がもどかしいのです。
さらに、高齢になると説明力や判断力が低下し、本人は真剣に困っているのに、周囲は情報不足で適切な対応ができないことがあります。
これが積み重なると、家族としても「何をどうサポートすればいいのか分からない」という感覚に陥ります。
これからの対応を考える
今回のクーラー問題は、もしかすると単なる操作ミスや設定の誤解かもしれません。
しかし、高齢者の場合は「誤操作も含めて繰り返し起こりうること」と考えておく必要があります。今後のために、以下のような対策を検討しています。
- 機器の操作をシンプルにする
複雑なリモコンより、温度と運転切替だけの簡易モデルに交換する。 - 定期的な機器チェック
季節の変わり目に、冷暖房機器の動作確認を行う。 - 訪問サポートの活用
デイサービスや訪問介護のスタッフに、日常的な設備確認も依頼する。
介護に「正解」はない
介護は教科書通りにはいきません。
設備トラブル一つとっても、家族の対応力、親の性格、サービス事業者との関係、住まいの環境など、さまざまな要素が絡み合います。
今回も、私は「涼しい部屋で寝てください」と伝えるしかできず、少し無力感を覚えました。
それでも、母が安全に過ごせるよう、できる範囲で工夫していくしかありません。
遠く離れていても、週末には顔を見に行き、機器の状態を確認し、必要なら修理や交換を手配するつもりです。
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