先日、思いもよらない出来事がありました。
母とまったく連絡が取れなくなったのです。
母は高齢ですが携帯電話を持っておらず、唯一の連絡手段は固定電話です。
その電話に夜、何度も着信がありました。
普段は滅多にそんなことはなく、嫌な予感が胸をよぎりました。
しかし、その時私は電車の中。
すぐに応答できず、帰宅してから折り返しました。
ところが、何度電話をかけても応答がありません。
呼び出し音は鳴っているのに、受話器を取る気配がないのです。
嫌な想像ばかりが頭を巡り、「もしかして倒れているのではないか」と不安は膨らむばかりでした。
いてもたってもいられず、私は実家へ向かうことにしました。電車で約1時間半。道中の時間がこれほど長く感じたことはありません。
実家に到着、しかし応答なし
母の家に着き、インターフォンを鳴らしてみましたが反応はありません。
固定電話にかけてもベルは鳴るのに誰も出ない。
玄関のドアの前で何度も声をかけましたが、やはり気配がありません。
「これはもう、自分だけではどうにもできない」そう判断して、警察に連絡しました。
状況を説明すると、すぐに警察官が来てくれました。
事情を話しながら、警察官と一緒に玄関前で呼びかけ続けます。
しかし、ドアロックがかかっており、少し隙間が開くだけ。
名前を呼んでも返事はなく、胸が締め付けられる思いでした。
その後、救急隊も到着。事情を説明する間も緊張は高まるばかりでした。
「ドアを壊してでも中に入ります」と言われ、いよいよという覚悟をしました。
真っ暗な部屋、そして安堵
鍵を壊して中に入ると、部屋は真っ暗。
どこに母がいるのかわからず、電気をつけるとベッドの上に母が横になっていました。
その瞬間、心臓が止まりそうになりましたが、近寄ると母は生きていました。
寝ていただけだったのです。
後から母に聞いたところ、最近あまり眠れておらず、体調が悪かったために私に電話をしたそうです。
しかし、その後深く眠り込んでしまい、私の折り返し電話にはまったく気づかなかったとのことでした。
無事を確認できて本当に安心しましたが、同時に「こうしたことが再び起こるのではないか」という不安も拭えませんでした。
介護の現実と向き合う
今回の出来事は、介護の難しさを改めて実感させられるものでした。
母はまだ一人暮らしを続けていますが、連絡手段が限られていることは大きなリスクです。私は週に一度実家に顔を出していますが、それ以外の日に何かあったとき、すぐに気づけるかどうかは分かりません。
母の生活の自由を尊重しつつも、安心して暮らしてもらうための仕組みが必要だと痛感しました。たとえば以下のような対策を検討しています。
・見守りカメラの設置
家の中の様子をスマホで確認できれば、今回のような事態にも早めに対応できます。
・緊急通報装置の導入
ボタンひとつで警備会社や家族に通報できる装置があれば、本人も安心です。
・定時連絡の習慣づけ
毎日決まった時間に「元気だよ」と一報を入れる仕組みを作るのも有効だと感じます。
もちろん導入には費用や本人の理解も必要ですが、今回の経験を無駄にせず、できることから始めていきたいと考えています。
今後に向けて
母にとっても、突然大勢の警察官や救急隊が部屋に入ってきたのは大きなショックだったようです。
私が声をかけると落ち着きを取り戻しましたが、不安を与えてしまったことは反省点です。
介護は、ただ体を支えるだけではありません。
本人の気持ちを尊重しつつ、安心できる環境をどう整えるかが大切です。
私自身も、まだまだ学ぶことが多いと感じました。
「何かあってからでは遅い」。そう考えると、少しずつでも備えていく必要があります。これからは見守りサービスや福祉機器について調べながら、母にとって負担の少ない方法を模索していきたいと思います。
もし同じような経験をされた方や、見守りカメラなどを利用されている方がいれば、ぜひ教えていただきたいです。介護は一人で抱え込むものではなく、周囲の知恵やサポートを借りてこそ続けられるものだと実感しました。
まとめ
今回の出来事は「母が眠っていただけ」で終わりましたが、背筋が凍るような不安を体験しました。
無事で良かったと同時に、これからの介護のあり方を見直すきっかけになったのは確かです。
介護は日常の中に突然トラブルが入り込みます。だからこそ、日頃からの準備と工夫が欠かせません。
母と自分、双方が安心して暮らせるよう、できることを一歩ずつ取り入れていきたいと思います。
あなたのご家庭では、どんな「見守りの工夫」をされていますか?ぜひコメントで教えていただけると嬉しいです。
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